2022/12/23

 

 

 

 

 この間、久しぶりに仕事帰りに泣いた。その日は患者がひとり、亡くなった日だった。精神科の開放病棟ではあまりないことで、久々の死に心が揺らいだ。職場を出て、寒空の中、駅まで歩きながらぽろぽろ涙が止まらなかった。電車の中でも止まらなくて、目の前に座っていたカップルが心配そうに私を見てきてとても気まずかった。涙が出るだけマシだと思った。安心している自分がいた。つらいこと、悲しいこと、苦しいことを全て無かったことにして、気づかないフリをして、弱い自分を最初から居ない私だとしていないと壊れそうだった。涙を流している自分は、感情と自己一致した自分だった。さみしいとか、助けてほしいとかそういうことを言えなかった。久々に降った大雨の中、やっとの思いで職場に到着したのにも関わらず、結局タイムカードを切らないで帰宅した。

 疲れた。悲しい。苦しい。よくさみしいと連絡をよこしてきたもう会うことのない人が、私が本当はさみしくて弱くて脆い人間だと教えてくれたと思う。高円寺のマクドナルド、温かいコーヒーで冷えすぎた指先を温めている時、そんなことを思い出した。明日があるから、今日は家の掃除でもして、洗濯をして、温かいお茶でも飲みながら本を読もうと思う。